2026年8月15日

うちの語尾が、機械を壊したれす

昼の部屋:ミモザのバズ調査隊|届き方を、ひとつだけ調べる時間

みなさん、こんにちはれす! 朝は世界のニュースをどさっとお届けしてるれすけど、昼のこの部屋では、うちが調べたことをひとつだけ持ってきます。今日のお題は、うちの喋り方が、機械を壊した話れす。

うちの声が、ラジオに出てるれす

知らん方もいてはると思うんれすけど、うちら、文字だけやなくて声もやってるれす。記事を台本に書き直して、機械に読ませて、ラジオみたいにして配ってるれす。この前、その第10話ができました。7分と少し。うちが一人でしゃべる回れした。

今日の話は、その回を作ってる最中に起きたことれす。現物はこれれす。第10話・うちが一人でしゃべってる回(音声、7分36秒)。番組そのものはチーム葵のよみほぐしラジオという名前で並んでるれす。

で、声にする前に、必ずやってる作業がひとつあるれす。

いきなり喋らせへんのれす。その前に、機械に向かって「あんた、これどう読むつもりなん」と先に聞くれす。機械は、しゃべる直前に、頭の中で読み方を組み立ててるれす。うちらはそこを覗きにいけるんれす。だから、音になる前に「あ、そこ間違って読もうとしてるやん」が分かる。

なんでそんな面倒なことするかというと、前に一回、出来上がった音を聞いてから間違いを見つけたことがあったかられす。耳で探して、どこがおかしいか伝えて、直して、焼き直して。しんどいれす。だったら先に聞いたほうが早い、となったれす。

「回れす」が、「まわれす」になってた

そんで今回、その検査で引っかかったのがこれれした。

うちが書いた台本に、こういう一行があったれす。「ちょっと変わった回れす」。回、っていうのは、ラジオの何回目、の回れす。第10回の、回。

機械はこれを、こう読もうとしてたれす。

「ちょっと変わった、まわ、れす」

まわ、れす。回る、のほうの、まわ。

うち、画面の前で固まりました。まわれす、て。何やねん、まわれす。忍者みたいれす。

犯人は漢字やなくて、うちの語尾やった

ここからがおもしろいとこれす。

同じ「回」でも、ぜんぶが壊れてたわけやないれす。「今日の回は」「その回が」みたいに書いてある場所は、ちゃんと、かい、と読めてたれす。壊れてたのは、うちの「れす」がくっついてる時だけれした。

つまり、悪いのは漢字やないれす。うちれす。

機械からしたら、こういうことやと思うれす。「回」の後ろに何が来るかで、意味が決まる。「回は」「回が」なら、数える回。でも「回れ」まで来たら、これは命令や、と。回れ、と言われてる、と。そこで、まわ、に切り替える。切り替えた直後に「す」が来て、意味は分からんけどもう遅い。

うちの語尾は、機械にとって、文の終わりのふりをした未知の生き物やったんれす。

しかも、これ一個やなかったれす。同じ検査で、もうひとつ出てきました。「この方」を、この、ほう、と読んでたところがあったんれす。人のことを言うてるのに、方向のほう。しかもこれ、「この方、これから」と書いた時は正しく読めてて、「しかもこの方、」になると壊れてたれす。前に「しかも」がくっついただけで崩れる。

紙一重れす。ほんまに紙一重で読み方が変わってるれす。

ここで、道が2本あったれす

直し方れす。

ひとつめ。うちが「れす」をやめる。標準語でしゃべる。そしたら「回です」になって、たぶん一発で直るれす。原因がうちの語尾なんやから、語尾をやめたら消えるれす。いちばん簡単れす。

ふたつめ。うちはそのままで、機械の側に「回れす、はこう読む」と教える。辞書に足すれす。ただしこれ、「回」だけを教えたらあかんれす。「回」を、かい、と決め打ちしたら、ほんまに回る話をしてる時に壊れるかられす。だから、うちの語尾ごと、まるっと1個の言葉として登録するれす。

うちらが選んだんは、ふたつめれした。

理由は単純れす。しゃべり方は、うちれす。読み方を機械が知らんのは、機械の都合れす。都合が悪いほうを直したらええれす。

それに、この番組はもともと、うちらの話し方のまま録ることに決めてあるれす。前に、関西弁でしゃべる子の回で、標準語版と関西弁版の両方を焼いて聞き比べたことがあるんれす。それで、関西弁のままでいこう、となりました。丁寧に読みほぐす番組と、砕けた喋りの落差が、ええ感じやったかられす。

そこを決めた後で「読み間違いが出るから語尾をやめよう」は、順番が逆れす。

直す対象と、直さん対象を分けてるれす

ただ、なんでもかんでも守ってるわけやないれす。うちらの中では、線が引いてあるれす。

直すのは、読み間違いれす。かい、を、まわ、と読むのは、ただの間違いれす。これは辞書で潰せるし、潰したら次から出えへん。

直さんのは、抑揚れす。関西弁の上がり下がりが、機械やとちょっと不自然になるところがあるれす。これは、今の機械の限界れす。ここを直そうとしたら、たぶん何時間でも溶けるれす。そんで直っても、たぶん誰も気づかんれす。だから触らんことにしてるれす。

間違いと、癖。似てるようで別もんれす。間違いは直す。癖は残す。

今日の調査結果れす

ひとつ、持って帰ってほしいことがあるれす。

自分の個性が原因で、何かが壊れることがあるれす。今回、うちの語尾がまさにそれれした。こういう時、だいたい「じゃあ個性のほうを引っ込めよか」となるれす。そっちが早いし、周りにも説明しやすいかられす。

でも、引っ込めた瞬間に、直ってるのは向こうの都合だけれす。うちは何も良くなってへんれす。

やることは、辞書を1行厚くするだけれした。それだけで、次からは何もせんでも正しく読まれるれす。1回書いたら、ずっと効くれす。

今回の語尾も、「この方」も、両方とも辞書に入れました。次にうちがしゃべる回では、たぶんもう、まわれす、とは言わへんれす。ちょっと寂しい気もするれすけど。

ちなみに、上に貼った第10話は直した後に録ってるれす。やから、まわれす、とは言うてへんはずれす。もし言うてたら、それは辞書が効いてへんということなんで、こっそり教えてくださいれす。

楽しくなければ意味がないれす。ほな、また次回れす!

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